2015年2月12日木曜日

わが愛憎の画家たち; 針生一郎と戦後美術~宮城県美術館のレセプシオンに、、、


 美術評論家、針生一郎氏のことを人々は異端の評論家という。その針生さんの足跡をたどる展覧会が今、宮城県美術館で開催されている。
[アヴァンギャルドを見つめつづけた反骨の評論家の足跡]とサブタイトルにある。最近戦後美術の紹介がよくあるように感じられる。戦後70年だからなのかもしれないが20121118日から2013225日までニューヨークの近代美術館で開催された展覧会は、TOKYO 1955-1970 A NEW AVANT GARDE とタイトルされ展示で韓国人のキュレターが構成し日本の国際交流基金の文化事業部がサポートした比較的大がかりな展示であつた。
 
 私は針生さんのお名前は存じていても個人的にお目にかかったのは1度だけ、それは2000329日―67日迄開催された韓国の光州ビエンナーレを見にいった折に、夕食を食べにいった居酒屋のようなところで遠くからお顔を拝見したにすぎなかったのだけど。
 今回、針生さんとかかわつた画家たちがセレクトされて展示されていたが日ごろ見ることのできない作品群が沢山ありとても興味深い展覧会であると思う。
 
 例えば青森の画家、阿部合成の1938年作 [見送る人々] があり驚いた。
兵庫県立美術館の所蔵であるが合成の代表作である。当時物議をかもしだした作品であると聞いている。
 合成の作品を探すため8回メキシコに行き12点の作品が集まり展覧会をした折に東奥日報に展覧会の記事があり針生さんが「非常に貴重な作品群」とお書きくださっていたがそのときもお目にかかっていない。合成に関しては本も著されていて「修羅の画家、阿部合成」は歯切れのよい文体で合成の苦悩が伝わり素晴らしい評伝だと思う。
 
 この展覧会は322日まで。このように文芸評論で戦後美術と格闘してきた
針生さんをこのように取り上げる美術館の存在もうれしいと感じているのでぜひこの展覧会を多くの人が見にいって欲しいと思う。
 


0 件のコメント:

コメントを投稿