2014年5月18日日曜日

美術作品でもメンテナンス


 拝啓 

 過日はお忙しいところ、電話でお話させていただくことが出来ましたこと感謝いたします。有難うございました。
 お電話いただけるとのことでしたが再度私なりの見解を述べさせていただきたく手紙をもう一度だけ差し上げることに致します。私は永年の経験から湿度の多い日本では紙の作品、水彩や版画に関してはよほどの注意をしなければならないと考えてきました。 シミやカビ、そして退色の恐れがあるからです。
それらのことを考えてときどき額縁の裏の紙をとりかえたり展示する場所に注意も必要ですし美術作品でもメンテナンスが必要となります。 ムンクのあの作品は当時、1000万円以上の価格でしたがもし当時のままのコンデチオンでしたら当時よりも評価が高くなっていますし誰もが欲しがる名品といわれているものです。しかし若し退色がひどくシミ、カビなどが画面にあれば価値がさがってしまいます。
 私はアメリカに行くことが多いのですが一流企業といわれている会社はかならず価値ある作品を所有し、アートの専門家をやとっています。先日の会話の中で美術品のことはどこかの会社に頼んでいます、、、とのお言葉でしたが失礼ですが私の聞いた事のない知らない名前でした。また、倉庫に入れてありますとのことでしたが湿度や換気の調節が出来ています倉庫でしたら問題がありませんがそのあたりはいかがでしょうか。
 美術品も会社の大切な財産だと思います。
他にもご購入いただいた作品もありますが一度拝見できればと思い総務部長様のご理解がいただけますようお願いもうしあげます。
                                 敬具
 2年ほど前に某社の社長宛に同じような内容の手紙を書いた。しかし何の返事もいただけないので、最近絵画等の管理をしている部門のチーフに宛てて再度出したものが上記の手紙である。今度は手紙を出したと電話でフォローした。しかしその後やはり何の反応もなく今に至っている。
  以前、ドイツの当時のヴァイツネッガー大統領に、ドイツのアーティスト、ケーテ・コルビッツの重要な展覧会を企画したとき、小文を書いて欲しいと依頼の手紙を出したことがあった。それに対してはまもなく大統領秘書から丁寧な返事がファックスで届いて驚いた。国のトップが遠い日本の会ったことのない人からの手紙にきちんと返事をする国、狭い東京の中で、調べれば30数年の実績をもつことが分かり、身分を明かして明確な用件を述べているのに、一度も返事をしない日本の経営者、この違いをおかしいと思わずにいられない。